
今年度も、臨床の現場で修得が難しいとされている『ウェクスラー式検査』『バウムテスト』『ロールシャッハ・テスト』を学んでいただけるように専門講座として開催いたします。例年好評をいただいている心理臨床の現場で必要な『みたて』についての講座を、今年度はじっくりと学べるよう2回に分けて開催します。また今年はロールシャッハ・テストの基礎的な理解を改めて深めるべく『ロールシャッハ・テストおさらい講座』を開催します。どの講座も臨床現場で専門性の高い講師による講座です。『個人コンサルテーション・スーパーヴィジョン、教育分析』も例年通り開催します。どの講座も専門性を高めるように継続して行なっていますが、今回はじめて受講される方も安心して参加していただけます。
★専門講座(T〜Z)を二講座以上(ただし各講座全回参加者のみ対象)受講される方には、一講座につき2,000円の割引があります。

■目 的・内 容
クライエントにより良い援助を提供するため、私たちはまず「みたて」ということを考えます。「みたて」とは、クライエントと初めてお会いしたとき、その方の問題状況をできるかぎり全体的に把握すること、そして私たちに何が提供できるか、できないか、提示できるようにすることです。その後の支援の成否は、この時の「みたて」の質に大きく左右されるといっても過言ではありません。
なかでも、クライエント自身が自分自身の抱える課題とどのように向きあい、関わることができる力を持っているのか、そのクライエントの力を把握し、活かすことが「みたて」の中核となります。この理解に応じて、クライエントの質の良い自我を育てていく支援をすることとなるわけです。そのために、クライエントの自我がどのような機能水準にあるのか、そこをしっかりと把握することが必要です。
精神分析的心理療法が培ってきた病態水準議論を手掛かりに、自我の機能水準を包括的に捉え、プロセス指向心理学やユング心理学、トランスパーソナル心理療法の視点なども加味して、そのポイントを整理しているのがプロフェッショナル・サイコセラピー研究所の富士見ユキオさんと岸原千賀子さんです。本講座でも、彼らが培ってきた知恵をみなさんと共有し、さらに発展的に現場で臨床を行う者に役立つ視点をたくさん提供できればと思っています。
今年は、2回に分けてよりじっくりと、できるだけ多くの事例を入れ込んで、皆さんの日常の臨床につながりやすいお話をしてきます。
日 程 |
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講 師 | 【濱野清志】(京都文教大学臨床心理学部教授/臨床心理士) 1956年神戸生まれ。京都大学法学部、教育学部を卒業し、大学院で故河合隼雄先生の指導のもと心理療法の訓練を受ける。臨床心理士。教育学博士。京都文教大学で心理職の養成に携わり、葵橋ファミリー・クリニックでは「対人援助家のための気功」講座を担当している。 |
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受講料 | 一般 : 25,000円 / AFC会員・学生 : 22,000円 | ||||||||||
定 員 | 36名 | ||||||||||
会 場 | ハートピア京都 4階 第5会議室 |

■目 的・内 容
発達検査を中心に据えてご一緒に考えていく講座です。ウェクスラー式(WISC-V・WとWAIS-V・W)を今回も取り上げます。
下位項目ひとつひとつの意味合い、検査場面での検査者の視点などの基礎から、検査結果を立体的なその人の在りようにどうつなげていくかを、ともに味わいたいと思います。検査結果を支援につなげ生かしていくこと・ご本人(あるいは保護者や周囲の方々)とともにどのようにその結果を引き受け抱えていくかなど、検査ひとつの周囲には外せない作業がたくさんあります。この講座では「検査」の基礎を学ぶことを中心に、「検査」が被検者の方にとって出会えてよかったものとなるために、どのように生かしていくことができるか。そこをご一緒に考えていくことを、一番の主眼に据えていけたらと思っています。
既にこの検査を実施されている方にも、ご自身の、検査を巡る臨床を見つめなおす機会としてご一緒いただけるかと思います。
日 程 |
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講 師 | 【福永 友佳子】 (「こころの臨床オフィスれんげ」/臨床心理士) 主に大学付属の外来機関・心療内科・小児科現場にて心理療法に携わってきた。特に近年は発達外来を中心に据える小児科に勤務し、多くの発達検査・プレイセラピーに従事。 |
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受講料 | 一般 : 30,000円 / AFC会員・学生 : 27,000円 | |||||||||||||||||||||
定 員 | 20名 | |||||||||||||||||||||
会 場 | ハートピア京都 4階 第5会議室(9/18・10/8)/3階 視聴覚室(10/29) |

■目 的・内 容
発達検査を中心に据えた事例検討″を通して一緒に考えていく講座です。ウェクスラー式(特にWAIS、 WISC−W・V)の事例を通して、下位項目ひとつひとつの反応から浮かび上がってくるもの、 数値から汲 み上げていけるその被検者の方の形など、検査結果を総合的に、立体的なその人の在りようにどうつなげて いくか、をみなさんで考えていきます。どのように発達検査が、被検者(や周囲)の方が「自分(あるいは 子)と出逢える契機となりえるか」を事例から味わいたいと思います。
(*このコースでは事例をご提供くださる方を募ります。)
日 程 |
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講 師 | 【福永 友佳子】 (「こころの臨床オフィスれんげ」/臨床心理士) 主に大学付属の外来機関・心療内科・小児科現場にて心理療法に携わってきた。特に近年は発達外来を中心に据える小児科に勤務し、多くの発達検査・プレイセラピーに従事。 |
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受講料 | 一般 : 30,000円 / AFC会員・学生 : 27,000円 | |||||||||||||||||||||
定 員 | 20名 | |||||||||||||||||||||
会 場 | ハートピア京都 3階 視聴覚室(12/17)/4階 第5会議室(1/14・2/11) |

■目 的・内 容
ロールシャッハ・テストの初心者の方、あるいは基礎をしっかりと学びたい方を対象とした講座です。実施法およびスコアリングをしっかりと身につけると共に、臨床現場で役立つ、生き生きとした解釈が描けるようになるための基礎を学ぶことを目的としています。
本講座では包括システムによる実施法、コード化(スコアリング)、解釈の基礎までを学びます。また、その後の「応用編」へと理解がつながるように、クロッパー法にも適宜触れていき、包括システムとクロッパー法の考え方の違いについても学んでいきます。
ロールシャッハ・テストが実施でき、クライエントの特性をつかんだ報告書が書けることは、どのような 臨床領域においても大変役に立つものです。この機会に是非学んでいただけたらと思います。3時間をかけてじっくり学べる講座です。
日 程 |
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講 師 | 【中尾 文彦】 (やまと精神医療センター/臨床心理士) 適応指導教室や大阪市の警察署で心理判定員として勤務した後、平成18年よりやまと医療センターにて心理療法士として勤務。現在、同センター医療観察法病棟の心理業務に従事。 |
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受講料 | 一般 : 35,000円 / AFC会員・学生 : 32,000円 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
定 員 | 10名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
会 場 | 葵橋ファミリー・クリニック 研修室 |

■目 的・内 容
ロールシャッハ・テストの事例を検討するのに必要な知識を確認するために今年度はおさらい講座を実施します。スコアリングの基礎知識、そしてスコアリングを事例に即して豊かな解釈を展開していくために必要な基礎知識をおさらいします。特にスコアリングそのものの持つ意味を理解し、サイコグラムグラムを有意義に読み取れるようにおさらいし、役立つ所見が書けるよう、日頃の臨床場面に応用できるような視点を学びます。クロッパー法を基本としますが、片口法、阪大法、包括システム等どの方法でも学んでいただける講座です。
日 程 |
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講 師 | 【山本 昌輝】 (立命館大学名誉教授/臨床心理士) 教育委員会、精神科診療所で臨床活動に従事。ロールシャッハ・テストではクロッパー法を採用。 そこに対象関係論的考えを加味して、臨床現場で生きてくる解釈法を展開。 |
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受講料 | 一般 : 12,000円 / AFC会員・学生 : 10,000円 |
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定 員 | 20名 | ||||||
会 場 | ハートピア京都 3階 視聴覚室 |

■目 的・内 容
この講座では、ロールシャッハ・テストを単に検査学としての知識を学ぶのではなく、検査場面からひとつの心理療法場面を想定することで可能になってくる多層的で臨床的なアプローチを学びます。具体的には、精神分析理論・対象関係論を機軸にロールシャッハ・テストによる心理アセスメントの実践的手法について、事例を通して学習します。実際に臨床場面で生きた知見が得られる目的で実施します。投影法は多くの事例に接することでしか学べません。いろんな事例に接する良い機会になります。
ロールシャッハ・テストを学びたい方はもちろん、心理療法を深く学びたい方もご参加ください。生き生きとロールシャッハ・テストの面白さを学んでいただける講座です。クロッパー法でのスコアリングですが、片口法、阪大法、包括システム等、どの方法でも学んでいただける講座です。
日 程 |
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講 師 | 【山本 昌輝】 (立命館大学名誉教授/臨床心理士) 教育委員会、精神科診療所で臨床活動に従事。ロールシャッハ・テストではクロッパー法を採用。 そこに対象関係論的考えを加味して、臨床現場で生きてくる解釈法を展開。 |
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受講料 | 一般 : 35,000円 / AFC会員・学生 : 32,000円 (各回参加も可能。1回 一般12,000円 AFC会員・学生10,800円) |
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定 員 | 20名 | |||||||||||||||||||||
会 場 | ハートピア京都 4階 第5会議室 |

■目 的・内 容
一本の木に投影されたその人を、どのように感じ、どのように理解するか?バウムテストを描き手の役に立てるように実施するためには、物事を多面的に見る柔軟性、受容・共感能力を深めることが大切です。今年度は実際のバウムテストの事例をじっくり検討することにより、人間の深層心理が描かれた木にどのように表現されるのか?初心者から経験豊かな方までの臨床の感性を広げ、高めることを目指します。この研修は、参加者からの事例提供を募集します。
日 程 |
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講 師 |
【青木 健次】 (京都大学 名誉教授) 学生相談の現場で臨床活動の実践に長年従事。バウムテストがもっている本質を的確に捉える ことにおいての第一人者。幅広く、深い知識を持ち、独自の感性の持ち主。 |
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受講料 | 一般 : 23,000円 / AFC会員・学生 : 20,000円 | |||||||||||||||||||||
定 員 | 20名 | |||||||||||||||||||||
会 場 | ハートピア京都 3階 視聴覚室 |

■内 容
個別のケースや心理査定に関するコンサルテーション、スーパーヴィジョンを必要に応じて
行います。
日 程 | 受講者の申し込みに応じて随時予約 |
講 師 | 葵橋ファミリー・クリニック カウンセラー(臨床心理士) |
受講料 | 1回1時間 6,600円(但し初回は8,800円) |
会 場 | 葵橋ファミリー・クリニック 面接室 |